汗の臭いの原因と対策法

ニオイを気にする日本人

私たち日本人は、世界的に見て、体臭の薄い民族であるといえます。実際、他人にもわかるほど体臭がある人はそういません。
ところが、その薄い体臭を気にしている人はとても多くいます。
日本人の多くが、老若男女を問わず、ニオイに敏感になっているのです。
どこのニオイが特に気になるのかに関して、男女とも、「口臭」「足のニオイ」「ワキのニオイ」の3つをあげています。その他、頭のニオイ、加齢臭、女性特有の臭いなどを気にする人も多いようです。
通勤や通学前にシャワーを浴びる人が増えたのも、デオドラント製品や、口臭防止のためのガムやタブレットがよく売れるのも、ニオイに対する恐怖心の裏返しであるといえます。

日本人がこれほどニオイを気にするようになったのは、世の中から「生活臭」が失われてきたからでしょう。たとえば水洗トイレの普及により、トイレのニオイが消えまし。同時に、ニオイを消すために置いていた防臭剤の強い刺激臭も、家庭からなくなりました。
強力な換気扇を備えたシステムキッチンでは、魚を焼くニオイもほとんど残りません。家庭にお風呂があるのが当たり前になり、汗くさい人や頭がくさい人が減りました。
ニオイが非常に少ない時代に生まれ育った現代人が、自分や他人の口臭や体臭など、ちょっとしたニオイに敏感になってしまうのは、やむを得ないことなのです。
しかし、ニオイは病気や体調の変化を知る手がかりになるなど、決してマイナスなことばかりではあリません。口臭や体臭についての正しい知識を身につけ、正しい防臭の方法を知っていただきたいと思います。

 

大脳皮質がニオイの快・不快を判断する

ニオイを鼻から吸い込むと、ニオイの感知センサーである嗅神経細胞が刺激され、その情報が大脳皮質へ届き、ニオイの快・不快を判断します。つまり私たち人間は、鼻でニオイを嗅いでいますが、それが心地よいかどうかは脳が判断しているのです。
一人ひとりの大脳皮質には、生まれ育った環境や経験、知識、健康状態などから得た、ニオイに関する情報がびっしりと蓄積されています。その情報と照らし合わせて、このニオイは快適だ、このニオイはくさいなどと判断しているのです。同じニオイでも、人によって感じ方が違うのは、その人が持つ大脳皮質の情報が違うからです。
同じ香水の香りでも、Aさんは好き、Bさんは嫌い、ということはよくあります。同じニオイ成分でも、徴香だと快く感じるのに、濃厚だと不快に感じるというように、濃度によって感じ方が変わることもあります。体の調子が悪いと、好きな食べ物のニオイですら不快に感じたりします。
人は、ニオイの種類、強さ、好み、濃度の4つを基準にして判断しており、その基準になるのが、1人ひとりの大脳皮質に蓄積されたニオイの情報なのです。ニオイの感じ方が人それぞれ違うのは当然のことなのです。
一方、嗅覚は順応しやすいものです。最初は嫌なニオイと感じても、そのうちに順応してしまい、気にならなくなります。お母さんが赤ちゃんの便のニオイを何とも思わないのも、家族の加齢臭をくさいと感じなくなるのも、この嗅覚の順応性のおかげです。人は慣れてしまえばたいていのニオイを許せるようになるのです。
とはいえ、やはりニオイは気になるものですので、しっかりとニオイの防臭や消臭をすることは大切なマナーといえるでしょう。

 

汗のニオイの原因を知ろう

汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。エクリン腺は全身に分布し、200万個から500万個ほどあります。
暑いときや運動をしたときに体温調節のために出る汗や、辛いものを食べたときに出る汗、緊張したり驚いたとき出る冷や汗などは、エクリン腺から出ます。
成分は99%以上が水分、残りは塩分、尿素、アンモニアなどで、サラッとしていて、汗自体ほとんど臭いはありません。
もう一方のアポクリン腺は、ワキの下、へその周り、性器、肛門の周囲など、体の1部にだけ分布しています。エクリン腺は非常に微小ですが、アボクリン腺は目に見えるほど大 きく、毛穴と出口を共有していて、思春期には直径2~3ミリメートルほどの大きさになります。
やや粘り気のある汗が出て、塩分をほとんど含まないので、人の皮膚に存在する常在菌が繁殖しやすく、その発酵臭が体臭の原因になったりします。

 

良い汗と悪い汗の違い

汗はくさいものであり、ニオイの発生源と思われがちですが、エクリン腺から出る汗は水のようにサラサラしていて臭わないものです。この汗が「良い汗」です。蒸発しやすく、人の体温調節を助ける大切な汗です。
しかし、運動不足だったり、ストレスがたまっていると、エクリン腺がうまく機能しなくなり、サラッとした汗では無く、ベトベトして蒸発しにくい汗をかく場合があります。
これが「悪い汗」です。
蒸発しにくいうえに、皮膚の表面がアルカリ化することで常在菌が繁殖しやすくなり、それが原因で汗のニオイが強くなってしまいます。
人の全身の皮膚には、皮膚を柔らかくしてうるおいを保つ働きをする、皮脂腺が分布しています。動物性たんばく質を多く摂ると皮脂腺が活発になり、分泌された皮脂が、汗とともに皮膚表面の細菌に分解・酸化されて、ニオイが発生します。

 

汗のニオイの解決法

汗のニオイの解決法

ミョウバン水溶液の制汗作用

すぐれた制汗作用のあるミョウバンは、身近で安心なデオドラント剤です。
古代ローマ人が、制汗剤として日常的に使っていたといわれるほど歴史が古く、染色剤や浄水剤としても利用されています。
肌へのトラブルもなく、上手に利用することで制汗と体臭予防に効果を発揮します。

ミョウバン水溶液の使い方

ミョウバン水溶液をガーゼに浸して、ニオイが気になる部分を拭いたり、スプレー容器に入れて直接皮膚にスプレーしたりします。水分が蒸発してミョウバンが残ると、皮膚が弱酸性に保たれ、ニオイの原因になる雑菌の繁殖を抑制します。
また、水の代わりに濃い目の緑茶を使用すると、さらに消臭効果が高まります。
ミョウバン水溶液は、冷蔵庫で保存すれば一ヵ月近くもちますが、できれば1~2週間ごとに新しいものをつくりましょう。ミョウバンはスーパーや薬局で手軽に手に入ります。

精油(エッセンシャルオイル)で防臭

ストレスを解消し、心身ともにリラックスさせる精油(エッセンシャルオイル)をうまく活用して、香りを楽しみながら防臭しましょう。

精油の使い方

ラベンダやローマンカモミール、ビターオレンジといった精油を湯船に数滴たらして、ゆっくりとつかれば、鎮静効果やリラックス効果が期待できます。「精神性発汗」の原因であるストレスを解消することも、体臭防止につながります。
また、入浴後にアロマローンョンをスプレーしたり、マッサージオイルを塗ったりして、気になるニオイを抑えましょう。

緑茶で防臭と消臭

私たちの身近にある緑茶は、もっとも効果的で安全な消臭素材といえます。緑茶に消臭効果があるのは、たくさんのポリフェノールが含まれているためです。カテキン類、フラボノイド類といったポリフェノールは、ニオイの成分と化学反応を起こし、中和することによって消臭してくれるのです。
また、緑茶といえば煎茶が思い浮かびますが、ほうじ茶にもボリフェノールが豊富に含まれていますので、同様の消臭効果が得られます。
緑茶をたくさん飲むようにしたら、尿のニオイが軽減したとい報告もあります。
緑茶の消臭効果は、二煎目、三煎目以降に高くなります。一煎目はカフェインやビタミンCが多く抽出され、消臭助果のあるカテキン類は、ニ~三煎目以降に抽出量が増えていくからです。
茶殻も消臭剤として利用できます。茶殻をガーゼに包んで体を拭くのもいいでしょう。
また、緑茶は肌に栄養を与えてくれます。緑茶を含ませたタオルで肌を洗浄することで、ビタミンCやB類、アミノ酸などの成分が作用し、皮膚のかぶれが改善したという報告もあります。

出た汗はすぐに対処する

エクリン腺から出る汗自体は無臭ですが、時間がたつと、皮膚の細薗や垢などが反応し、やがてニオイが発生します。汗をかいてからニオイになるまでには、1時間ほどのタイムラグがあります。そのあいだに、できるだけ早く汗をふき取るようにすれば、ニオイを防ぐことができます。

出た汗の拭き取り方

汗が出たら、固く絞ったぬれタオルですぐにふき取りましょう。乾燥したタオルやハンカチなどよりも、ぬれタオルのほうが、ニオイを抑えるのに効果的です。
ニオイの原因は皮膚に残った雑菌です。乾いたタオルは水分を吸収することはできますが、雑菌までは取りきれません。ぬれタオルなら、雑菌と一緒に皮脂汚れなども取り除くことができるためニオイが抑えられます。
ただし、ぬれタオルを繰り返し使うと、タオルそのものにニオイがついてしまうので、使ったらすぐに水洗いしましょう。
また、出てしまった汗は、できるだけ蒸発させましょう。
そもそも汗は、体温を下げるためにかくものです。そこで大事になってくるのが、衣類の選び方です。できるだけ汗の発散を邪魔しないものを着るようにしましょう。

オススメの多汗症ケアをみる

 

 

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