臭う汗と臭わない汗の違い 体臭の原因対策辞典 スメルケア

ニオイは大脳で判断する

ニオイを感じる仕組みについて考えると、まずは鼻から吸った空気の中にあるニオイ分子が鼻の奥にある嗅神経細胞を通して嗅覚中枢へと伝えられ、大脳皮質に届いてはじめてニオイを判断します。
そして大脳皮質から大脳辺緑系へと伝達されることで、感情と結びつきます。
例えば、いいニオイと判断すれば良い気分になったりうっとりしてリラックスしたり、嫌なニオイと判断すれば不快感を覚えてストレスを感じてイライラするなど、身体にさまざまな影響を及ぼします。
なかには、ニオイをかいただけで気分が悪くなってしまうという人も結構いるようです。
このように、「ニオイ」というものは我々人間と密接な関係があり、決して軽視できない重要な問題なのです。

 

2種類の汗腺

汗をかく腺=汗腺はアポクリン腺とエクリン腺があり、この2つは分布する場所や汗の臭いに違いがあります。

アポクリン腺

アポクリン腺の量は遺伝の影響もあり、さらに人種やその人によっても異なります。
分布としては脇の下やおへそ周り、耳の後ろ側、乳首の乳輪や性器、肛門の周りの特定の部分にしかありません。
ワキガ臭もアポクリン腺からの臭いになります。

役目としては体温調整ではなく、体臭の原因となるにおい成分を作り出すことになります。
なぜ、わざわざにおいを出すの?と思われているでしょうが、多くの動物は、個体の認識や仲間同士の確認や縄張り、異性を惹きつけるフェロモンのような役目をアポクリン腺が手助けをしています。

エクリン腺

エクリン腺からでる汗は、水分が99%なのでサラッとしていて、ほとんどと言っていいほど臭いはありません。
また、発汗のしかたによって大きく次の3つに分かれます。

  1. 温熱性発汗
    暑いときや運動したときに、体温を調節するために体全体から出る汗になり、体温を37度に維持するための生理的な汗になります。
  2. 精神性発汗
    手のひらや足の裏、ワキのした、顔などの局部的に汗をかきます。
    緊張したり、驚いたり、不安などから起こります。
    何も緊張していない時でもたくさん汗をかいたりする多汗症も同じグループです。
  3. 味覚性発汗
    熱いものや辛いものを食べたときに、額や鼻、唇、首などにかく汗になります。

エクリン腺は体全体に分布していて、汗腺数は200万個から500万個で平均は350万個です。
多汗の場合もエクリン腺から出ている場合が多いです。

エクリン腺からすべての汗が出ている訳でなく、能動汗腺と呼ばれている汗腺から汗が出ています。
能動汗腺は、エクリン腺全体の約半分程度で、汗の量としては能動汗腺の数によって多い少ないの違いがあります。

能動汗腺の比率は、生まれてから3年過ごした環境で決定されるということで、熱い地域で育った人は寒い地域で育った人より能動汗腺の数は多いとされていて、猛暑での体温調整が自然と行えるようになっています。
能動汗腺の場所は、手のひらや足のうら、顔の額に多く分布しています。

 

臭わない汗と臭う汗の違いとは

アポクリン腺からでる汗は臭いを持ち、エクリン腺からの汗は臭いを持たないと説明しましたが、汗腺機能が低下している場合には臭いを持ちます。

改めて説明しますと、エクリン腺から出る汗は体温が高くなると血液からミネラル分と水分が汗腺に取り込ます。
ミネラル分は血液に再吸収されてから、残った水分と塩分が汗となって皮膚上に出ます。
この汗は臭わない汗になります。
血液への再吸収機能が上手く働いた汗ほど水に近いサラサラの汗になり、健康的な汗とも言えます。

逆に、エクリン腺から出る汗でも臭う汗は、汗腺機能が低下してミネラル分を再吸収しないで水分と一緒に皮膚上に出ます。
このような汗はベタベタとしていて蒸発しにくく、体温機能も上手く出来ません。

こんな臭う汗をかく人が多くなってきたような気がしています。
これは、食生活が肉食中心で人間関係におけるストレス、運動不足、汗をかく習慣が減ったことが要因でしょう。
また、夏のエアコンが効いた室内でいると、汗腺機能が低下して老廃物や角質が汗腺にたまって、汗をかいたときに不純物がいっしょに出てしまいます。

不安や緊張による精神的な発汗も突発的に大量の汗をかくため、ミネラル分の再吸収が追いつかず、臭う汗となりやすいのです。

 

ただのニオイと体臭のボーダーライン

ただのニオイと体臭のボーダーライン 体臭の原因対策

「ただのニオイ」と「嫌なニオイ」は、そのニオイを不快に感じるかどうかがひとつのボーダーラインとなりますが、その判断基準は主に、「ニオイの種類」「ニオイの強さ」「ニオイの好き嫌い」「ニオイの濃さ」で決まります。
従って、「ただのニオイ」と「嫌なニオイ」のボーダーラインには個人差があり、同じ人間でも環境や精神状態などによって変化します。

人間の嗅覚はあまりよく出来ておらず、どんなニオイでもすぐに慣れてしまい、そのうち気にならなくなります。よそのお家のニオイはわかるけど、自分の家のニオイはわからないというのも、鼻がニオイに慣れてしまっているからです。
他にも香水の強い人は、同じ香水のニオイに鈍感になり、たくさんつけないと判断できないため過剰に付けてしまうケースが多いようです。

人間の嗅覚は男性よりも女性の方が比較的すぐれているといわれ、年齢や体調、鍛錬によっても差が出ます。
例えば風邪を引いて鼻が詰まったときなんかは、息を吸いにくいこともありますが、嗅覚そのものが著しく低下していて、ニオイがわからなくなりますね。また、これまで「良いニオイ」と思っていたものが急に嫌なニオイと感じたり、良いニオイでも濃度が強ければ嫌なニオイと感じたり、ニオイの感じ方は様々に変化します。

このようにオイのボーダーラインは変化しますので、経験や決め付けで判断せず、もし自分に体臭を感じたら他の人にも聞いてみるのもいいでしょう。そもそも日本人は嗅覚がすぐれているといわれており、他の国の人からみればたいした嫌なニオイではないものも、不快に感じる傾向にあるようです。
例えばワキガなんかでも、黒人ではほぼ100%、欧米人は70~90%の割合の人が「ワキガ体質」といわれており、ここまでワキガに悩む人や対策をする人が多いのは、日本人の嗅覚がすぐれていることもひとつの要因かも知れませんね。

 

臭う汗と臭わない汗のチェック方法

臭わない汗はすぐに蒸発しやすく、少量の塩分を含んでいるので、皮膚上を酸性に保ってくれて、皮膚上にいる菌の繁殖も防いでくれる働きがあります。

一方臭う汗は、何度も言うようにベタベタとしていて蒸発しにくくミネラル分を含んでいるので、皮膚面をアルカリ化にしてしまい、皮膚上の菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。

ところで、自分自身が臭う汗をかくのかどうかが気になりますよね?
簡単にチェックする方法がありますのでやってみましょう。

使う道具としては、赤色のリトマス試験紙を使います。
汗をかいたらリトマス試験紙につけて、色の変化を確認しましょう。

  • 色の変化なし(赤色)・・・酸性
  • 色が青くなる・・・アルカリ性

この結果から、赤色なら臭わない汗をかいている、青く変化したら臭う汗をかいているということになります。
大切なのは、この結果からどうやって良い汗をかくように改善するかです。
是非、試してみましょう。

 

 

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