ニオイの感じる仕組み

ニオイ物質とは?

人には「五感」があり、光を感じる「視覚」、音を感じる「聴覚」、味を感じる「味覚」、触られたり温度を感じる「触感」、そして臭いを感じる「嗅覚」もそのひとつです。
嗅覚として感じる仕組みは、嗅細胞がニオイ物質によって刺激されてことで感知します。
この「ニオイ物質」は、鼻腔まで到達する必要があるため、空気中を漂うことができる気体であり、また水溶性の場合がほとんどです。
シャンプーをしてドライヤーで髪を乾かす前や乾かしているときに臭いが強いのはそのためです。
ニオイ物質は水溶性のため、汗は乾いたタオルより少し湿ったタオルで拭き取る方が、汗のニオイも取れやすいというのも、こういうことからなのです。

 

ニオイの強度を表す「閾値(いきち・しきいち)」について

「ニオイ」の強さを相手にきちんとした表現で伝えることは難しいですよね。
例えばとても強いニオイを相手に伝える場合、「本当に臭い!」「信じられないほど臭い!」「鼻が曲がるほど臭い!」など、何かに例えたり置き換えたりした言い方になるのではないでしょうか?
これは、音などのように強さの単位が無いためです。(音であればデジベル)
しかし、「ニオイ」の強さを現すために「閾値(いきち・しきいち)」を使う場合があります。
「閾値」とは、嗅覚の感覚を起こすための、あるニオイ物質の最小の濃度で、ある一定量の無臭の気体を薄めていってニオイを感じるニオイ物質の濃度を「ppm」という単位で表したものですが、実際にはあまり使われることはないのかも知れません。

 

ニオイを感じるメカニズム

ニオイを感じるには、鼻腔(鼻の穴の中)にある嗅細胞がニオイ物質によって刺激され、嗅神経をとおって大脳の嗅覚野に達し、ニオイとして識別されます。
従って、風邪を引いて鼻水が大量に出てニオイ物質が嗅細胞にたどり着けない場合や、普段から口を開けて口呼吸になっている人はニオイに鈍感になっています。

 

ニオイと記憶の関係

実はニオイは、視覚や聴覚よりも感情と密接に結びついていて、ニオイによって突然過去の記憶を鮮明に思い起こすことがあります。
懐かしい音楽を聴いたり昔のアルバムを観て、「あの時はこうだったな」と記憶を思い出すように、ニオイと記憶も深く結びついているのです。
例えば、ふと近所の家から料理のニオイがして、それが母親の料理のニオイと似ていれば、その当時の記憶が思い浮かんだり、学校の靴箱のニオイに近いものを嗅いだ場合では学生時代を思い出したりなど、言われてみれば心当たりがあると思います。
これほどまでにニオイと記憶の関係が深い訳は、視覚や聴覚と違い、嗅覚の電気信号は視床を通らずに、大脳辺緑系の感情を左右する視床下部や扁桃核や記憶と関係する海馬などと連絡を取り合ってから、直接第一次感覚野である嗅覚野に達するためです。

 

ニオイを感じるから食べ物は美味しい

嗅覚は味覚と密接な関係があります。
風邪を引いたりなど、鼻が詰まってニオイを感じない(感じにくい)ときは、何を食べても同じで、味もよくわからず美味しいと感じにくくなりますね。
一度、鼻をつまみながら食事をしてみてください。ニオイが無いことでどれだけ食事が楽しめなくなるかよくわかります。

人間の口腔と鼻腔は近くにあり、口腔の奥では鼻腔と直接繋がっています。
鼻からうどんを入れて口から出すような芸もありますね。
食事をするということは、口に食べ物を入れて舌で味を識別すると同時に、食べ物のニオイ物質が嗅覚を刺激し、味覚に影響を与えているのです。
嗅覚は年齢を重ねても機能の低下は少ないため、高齢になっても美味しいものは美味しい、そうでないものは不味いとしっかり認識できます。
食は一生の楽しみというのも、このような根拠があるためです。

 

 

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